「ファストファッション」という言葉を日本に根付かせたユニクロを展開するファーストリテイリングだが、最近その業績が芳しくない。ファストリは1月7日に2015年9~11月期(第1四半期)決算を発表。これによると、営業利益が昨年同期比で16.9%下回り、同期間としては4年ぶりの減益となった。
「マーケティングの観点から考えると、ユニクロの苦戦にはふたつの要因があると思われます。そのひとつは販売方法。ユニクロの販売方法は、顧客が自分で選んだアイテムを店内かごに入れて、レジに並んで会計をするという方式です。これは、スーパーやコンビニエンスストアで食品などを買うセルフセレクション方式とほぼ同じです」
一方、デパートや専門店の対面販売は、店員がコミュニケーションを取りながら、顧客のニーズに合った商品をおすすめし、最後に包装したものを手渡すという方式で、サービス面では両者に差が生まれている。
「つまり、ユニクロのようなセルフセレクション方式は、低価格販売だから買い手が納得できる販売方式なのです。値上げにより価格帯そのものが上昇してしまうと、顧客は結果としてサービスの低下を感じてしまい、満足感を得にくくなるのです」