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徳永英明、病魔乗り越え歌声届け続ける…インタビュー

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徳永英明、病魔乗り越え歌声届け続ける…

シンガー・ソングライター徳永英明(56)が、19日に4年ぶりのオリジナルアルバム「BATON」を発売する。デビュー30周年イヤーの昨年は、2月に脳血管の異常で起きる難病「もやもや病」が再発し手術。7月に急性咽頭喉頭炎のため、ツアーを延期するなど苦難の連続だった。リハビリを終えて完全復活した徳永。今回のアルバムについてだけでなく、復帰後の思い、今後の目標などを聞いた。

度重なる病魔を乗り越え、徳永が新たな一歩を踏み出した。2度目の「もやもや病」発症も克服し、体調は良好。これまでと変わらない感覚も戻った。「去年に比べたら調子は良い。体力も付いてきているし、何の問題もない。全然、大丈夫です」。淡々とした言葉の中にも、確かな自信を感じさせる。

違和感を覚えたのは昨年1月末だった。「右手が重たい」。2月に入っても症状が治まらず、医師の診察を受けた。脳内の血管が狭くなり、脳卒中のような症状が起こる原因不明の「もやもや病」だった。01年に発症したものと同じ病気。脳梗塞を防ぐため、左複合バイパスの手術を受けた。

「前回は手術をしなかったので、退院後に自転車で何十キロも走ったりできていた。手術すると、体力が全て奪われてしまうので、それを戻すのが大変だった。恐怖心は今回の方がありましたね」。退院後はウォーキングやジョギング、筋トレを行い、懸命にリハビリに励んだ。3か月後の6月にはツアー復帰。1年半休養した前回の経験から、焦りはなかった。「(復帰に向けた)手順が組めたのは大きかった。(休養明けから)15年間、ずっとライブをやって来た。幸いなことに歌の体力は残っていた」

もやもや病による長期休養、声帯ポリープの手術など、順風満帆とは言えない音楽人生。その度に不死鳥のようによみがえってきたが、徳永を奮い立たせるものは何か。「最初にシンガー・ソングライターを志したパワーでしょう」。19歳で上京し、歌手になる夢をつかむため、がむしゃらに走ってきた。「デモテープをいろいろな所に配ったり、足で稼いだ人脈が今に生きている。“このままで終わるわけにはいかないんだ”という精神も、どこかにあるんだと思う」

4作目のシングル「輝きながら…」(87年)でブレイク後、バラードを中心に多くの名曲を生んだ。独特のハスキーな歌声と抜群の歌唱力で、05年以降は、女性歌手の楽曲をカバーしたアルバム「VOCALIST」シリーズが「―6」までで累計600万枚の大ヒット。以降のカバーブームのパイオニアとなった。

4年ぶりのオリジナルアルバムとなる今作のコンセプトは“オトナ歌”。「男性目線で男性に書いたアルバムだと自負している」と語る。代表曲の「壊れかけのRadio」「最後の言い訳」なども手掛けた名プロデューサー・瀬尾一三氏(69)と16年ぶりにタッグを組んだ。「往年のヒットコンビなので、オリジナルで復活させてみようと。瀬尾さんもその気だった。相性がいいのは実証済み。伊丹市の先輩でもあるから」

シングル化もされた収録曲「バトン」は、徳永の優しい歌声がジワジワと染みる。「頑張れ、頑張れじゃなく、泣いてもいい、負けてもいい。自分のゴールを自分で決めて、その時にほほ笑んでいられるなら、今は泣いていてもいい、と。30代以降の男性に対しての、癒やしの歌、励ましの歌。『この詞にグッときました』と、言ってもらえたらありがたい」

昨年の手術後、考え方が変わったという。11年の本紙インタビューでは「75歳、50周年まで歌いたい」と答えたが、「そういうことは現実味がない」と否定した。それは悲観ではない。物事をより現実的に捉えるようになった。「年を重ねるにつれて一歩先、一年先というスタンスに変わった。その都度、目の前の目標を立てて、クリアしたら次の目標を考えていくようにしている」

年内の目標は、9月2日の埼玉・川口総合文化センターリリアメインホールから始まる全国ツアー(12月24日の大阪・グランキューブ大阪まで20か所30公演)。すでに動き始めている。「構成も含めてオープニング、エンディングの考えはまとまっている。これまではずっと40本、50本やっていましたから。30本か~、という感じですけど、一生懸命、30本こなしたいと思う。感謝の気持ちを込めたツアーにしたい」

徳永流の歌声を作る極意は「リハーサルで1回、声をつぶすこと」だという。「スポーツ選手が自らを追い込んでクールダウンしていくのと同じ。僕らもリハで1回、追い込むんです。声がつぶれる(極限の)ところまで歌った後、マイペースで歌っていく―そんな感じかな」。円熟味を増した歌声で多くの人々の心を癒やす。