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徳永英明 昭和歌謡をカバー

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「あの時」の心自分なりに

徳永英明が昭和の歌謡曲をカバーした「VOCALIST VINTAGE」(ユニバーサル)がヒットしている。
 
東日本大震災からの復興に、高度経済成長時代のエネルギーを思い出してほしいと企画されたが、自身にも大きな発見があった。
 
収録曲は、「ブルー・ライト・ヨコハマ」(いしだあゆみ)、「伊勢佐木町ブルース」(青江三奈)など、1960年代の作品が中心。「小さい頃に好きで好きでたまらなくて、ずっと歌っていた歌」という。
 

70年代の楽曲から最近のJ―POPまでをカバーした過去4作のVOCALISTシリーズは、原曲のファンの期待を裏切らずに歌う“訓練”のようだった、という。だが、このアルバムでカバーしたのは、自分の中に染みこんでいる歌ばかり。消え入りそうなか細い声で歌う「悲しい酒」(美空ひばり)、感情の起伏を強調した「人形の家」(弘田三枝子)など、思うままに楽曲の世界に没入しているようだ。

 
「『悲しい酒』のレコードは、家にステレオが来たときからあって、ずっと聴いていた。ラジオやテレビと全然違ういい音だった思い出がある。『人形の家』の弘田さんは、何て美しくて歌がうまい人だろうと衝撃的だった」
 

2種類ある初回限定盤の一つには、坂本九の「上を向いて歩こう」を追加収録した。同曲がヒットした背景を探るため、テレビ番組の企画で旅した米国では、価値観を変えるような発見があった。「旅立つ前は英語を勉強していかなきゃと思っていた。でも、うれしそう、悲しそうという感情は、言葉はなくても通じ合う。『上を向いて』も意味が分からなくても、『何か雰囲気がいいな』ってヒットしたんですよね」

 

VINTAGEでも近い表現ができたと感じている。「説明でもなく、手法もなく、本当にあの時の楽しさのまま歌っている。あの時聴いた悲しげな気持ちを、自分なりに表現している」。それを証明するエピソードを、メキシコの友人から聞いた。徳永が歌った「上を向いて歩こう」を聴き、メキシコ人が、「こんなに悲しい歌だったのか。日本人はやはり、震災で悲しいのか」と語ったという。

 
今作の経験で得たことは、次回のオリジナル作に向けた思いにもつながった。「どう歌うか。そして、この詞を、この楽曲をどう手を触れるように、どう抱きしめるように届けるかが大事だなと思う」